2025年6月初旬、narasuのダッシュボードを立ち上げると、以下のようなポップアップが出現しました。
音源生成AIサービスの利用について
一部の音源生成AIによって作成された楽曲には、他のアーティストの楽曲を元に生成されたものが含まれている場合があり、配することで意図せず他のアーテイストの著作権を侵害する可能性があります。
たとえご自身で生成された場合でも、権利上の問題が懸念される音源生成AIを使用した楽曲は、narasuでは配できません。
配可能な楽曲の範囲や禁止行為の詳細については、配信規定ページをご確認ください。
ということで、
既に2025年5月より、生成AIで作成した楽曲は審査に通りづらくなっていますが、これを読む限り、たとえ、Suno AIの有料版を利用していても、今後は、narasuではリリース出来そうにありません。
今回は、改悪が続くnarasuのサービスと、今後の可能性について考えてみます。
配信停止・修正は原則として受付できません
「音源生成AIサービスの利用について」のお知らせとと同時期に、メールで以下のような文章も送られてきていました。
レーベルおよびアーティストの皆さまへ
楽曲の配信停止や修正について
いつもnarasuをご利用いただき、ありがとうございます。
楽曲の配信停止や修正について、改めてお知らせいたします。
配信停止・修正は原則として受付できません。
ただし、権利を失った等のやむを得ない事情がある場合にのみ受付しております。
昨今、誤った内容で申請してしまった等の理由で、配信停止を複数件ご依頼いただくケースが大変増えておりますが、このような状態が続きますと、他の配信申請のお手続きにも影響を及ぼすことになりますため、配信停止に掛かる手数料の徴収やサービス利用料の改定につながる恐れがございます。
現行のサービス内容を提供できるように、ユーザーの皆さまにもご協力をいただけますと幸いです。
なんと、配信停止や修正が、原則として受付けないということです。
配信停止に関しては、今でも、以下のような規約があります。
【配信停止をする際の注意点】
・特定ストアのみの配信停止はできない
・ストア側での再生回数がリセットされる
・配信停止されることにより、ストア側のご登録情報は一旦初期化される
・既に登録されているプレイリストからは外れてしまう
・配信停止したリリースと同じJANコードを再度ご登録いただくことはできない
・YouTubeマネタイズサービスに登録している場合、その登録も削除される
・払いきりプランでリリースした楽曲は、配信を停止して同タイトルを再申請する場合でも課金が発生する
・同一リリースを再申請される場合は、今回配信を停止するリリースがマイリリースページにて「配信停止」になった後に申請が可能となる
・配信停止の処理には数営業日の時間を要する
・配信停止日はご指定できない
しかし、今後は、配信停止をするなら、「配信停止に掛かる手数料の徴収やサービス利用料の改定につながる恐れがございます。」ということですので、基本的には受け付けないというスタンスです。
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▶️ 音楽配信代行サービスの楽曲(リリース)移行方法と注意点【 SoundOn への移行編】
ユーザーがnarasuから逃げている?
2025年5月以降、急に生成AIを利用している人を締め出した関係で、多くのユーザーがnarasuから逃げているのかもしれません。
YoutubeコンテンツIDの登録が出来なくなったばかりか、新たに楽曲を配信することすら出来ないのであれば、生成AI利用者が、narasuで配信をする理由は、もはや何もありません。
そして、今後もサブスク料金を支払いたくはないと思います。
narasuの配信し放題プランのサブスク料金は月額110円なので、月額の収益がそれ以上であれば、急いで解約する必要もないかもしれませんが、月間に数円、または1円未満の収益しかなければ、たとえ110円でも払い続ければ赤字です。(私は初月77円で赤字でした。)
今後もリリースができれば、いつかは月の収益が110円を超えてくると思いますが、リリース出来ないとなると解約(アカウントの退会)するしかありません。
そのような理由から、楽曲の配信停止などの依頼が増えているのかもしれません。
narasuはサービス終了に向かって進んでいる?
narasuは、2020年に株式会社ローディアムがスタートさせた、日本国内の音楽配信代行サービスです。
Spotify、Apple Music、Amazon Music、YouTube Music、TikTok、Instagramミュージックスタンプなど、国内外40以上の配信ストアに向けて、アーティストの楽曲を代行配信をしてくれます。
narasuは、月額定額制(サブスクリプション型)で“配信し放題” というシステムを日本で初めて採用して話題になりました。
また、「日本サブスクリプションビジネス大賞2023」では、特別賞も受賞しています。
私も、narasuを実際に使ってみましたが、2025年5月以前は、YoutubeコンテンツIDの登録も出来ていました。
それが2025年5月以降は、ひどい状況で、5月に申請した20曲はすべて却下されました。
修正依頼ではなく却下なので、どうすることも出来ません。
今後はリリース申請しようとは思えませんし、申請してもおそらく無駄でしょう。
ということで、narasuは、サービス終了に向かって進んでいるように思います。
生成AIを利用している人は、新たにサブスク契約をしないほうが良さそうです。
途中解約しても、1年分は支払う必要がありますので注意が必要です。
そして、すでにnarasuを利用中で、楽曲を他のサービスに移したい人は、移行方法(手順)には十分注意してください。
たとえば、narasuからSoundOnへ楽曲を移行する場合は、narasuでの配信を残したまま、SoundOnにリリース申請を行いますので、配信停止の依頼をnarasuにする必要はありません。
SoundOnへの移行が完了すると、SoundOnから、narasuへ取り下げの申請を行ってくれます。
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私が作曲した楽曲は、Youtube チャンネルにもアップしていますので、もしよかったら覗いてみてください!
▶️ https://www.youtube.com/@kanon.studio