「CASH」アプリ 再開!その仕組みは?「CASH」は「メルカリ疲れ」を救うのか?

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バンク社が、2017年8月24日、事業停止を余儀なくされていたアプリ「CASH」を再開しました。

「CASH」は、ユーザーが所有するグッズをスマートフォンで撮影することで、ものの十数秒でキャッシュにすることができるというサービス。

2017年6月28日にスタートしたものの、わずか16時間ほどでサービス停止に追い込まれていたあのサービスです。

そんな「CASH」が、およそ2か月を経て、再開することになりました。

旧「CASH」アプリの仕組み

「CASH」は、身近にある商品をスマホ1つで現金化できるという新しいサービスです。

まず利用者は、スマホ(iphone)のアプリを立ち上げて、カテゴリーを選び、売りたい商品を撮影します。

最大2万円以内で買い取り査定額を表示され、同意するとあらかじめ登録した口座に現金が振り込まれるという仕組み。

商品は、2か月以内に発送すれば、取引が終了します。
(*再開後は、入金後2週間以内に商品を必ずバンク側に送ることに改められ、キャンセルも認められません。)

個人情報の登録は、電話番号だけでできますが、査定額が1万円以上になる場合は、免許証などの本人確認が必要となりました。



スタート当時の問題とは?

スタート当時の問題は、このサービスを使えば、手軽にお金が借りられるということでした。

現金を振り込んでから、2カ月以内に商品を送らずに、取引をキャンセルした場合、査定金額に15%相当を上乗せして返金させる仕組みが存在しました。

「CASH」を運営するバンクは、中古品を売買する古物商の資格を有してはいました。

しかし、取引をキャンセルできる機能があったため、サービス内容が、中古品を担保にお金を借りられる質屋に当たるのではないかとの指摘がネット上でなされました。

質屋の場合、質屋営業法は、対面取引を義務付けています。

ベンチャー企業に詳しい、ある弁護士によれば、

(ネット上で取引する)「CASH」が質屋と認められれば、同法に違反している恐れがあった。

と指摘し、一方のバンク側は、

実際には、中古品を預かっていないので質屋ではない。

と反論していました。

さらに、貸金業法の観点から、査定金額に15%相当額を上乗せして返金する仕組みは、利息でお金を借りていたのと同じようになり、「貸金業に当たるのではないか」との声も上がっていました。

先ほどの弁護士は、

貸金業とされた場合、利息制限法が定める10万円未満の貸し付けの上限金利(年20%)を超えている可能性があった。

とも指摘しています。

バンク側は、貸金業なのでは?との指摘に対し、

15%分は、利息ではなく、古物取引が実現しなかった機会損失を補うキャンセル料だ。

と反論。

6月末に現金化した案件のうち、なんと98%は、実際に商品が送られてきたという。



CASHは「買い取り」か「マイクロファイナンス」か

バンク代表取締役兼CEO「光本 勇介」氏は、

「CASH」でやっていることは、ファッションなど中古品の二次流通が確立しているアイテムを買い取るビジネスです。

このアプリでやっていることは、瞬間でアイテムを買い取り、その代金をお客様に支払っているということなんです。

この事業は、貸金業としてやっているものではないんです。

と説明するものの、取引キャンセル料が15%かかることや、この事業モデルをマイクロファイナンスという表現を使っていたことなどから、さまざまな議論が湧き上がっていました。

実際は、予想を超える勢いでキャッシュ化、中古品の送品が発生し、それに対応できる体制が整っていないことが事業停止の理由でした。

日経ビジネスオンラインの記事「開始直後に運営停止・炎上した「CASH」が再開」によるとアプリが公開されていた時間は、16時間34分間でした。

その間に、アイテムが、7万2796回キャッシュ化(現金化)され、総額で3億6629万3200円が現金化されました。



新サービスによる変更点

8月24日の再開に伴い、iPhoneアプリのアップデートを実施し、サービス内容を変更しました。

刷新されたサービスでは、

利用者にキャンセルを認めず、入金後2週間以内に商品を必ずバンク側に送るように改めました。

また、

1日当たりに現金化する上限を1,000万円に制限することとしました。

さらに、

査定方法も変わりました。

以前は、カテゴリーの情報だけで査定額を表示していましたが、今回は、写真を画像解析して査定の精度を高めています。

そして、

「CASH」側が、利用者を評価できる機能も追加されました。

もし、申告とかけ離れた商品が送られてきた場合などは、評価が下がり、査定額にも影響する仕組みです。

今回の対応で、法的にグレーだった部分は解消したようにも見えますが、依然として懸念は残ります。

たとえば、

盗品が送られたり、運営側の資金がショートしたりするなどの懸念などが、完全に払拭されたわけではありません。

スマホを通じた新サービスが続々と登場する中、フリマアプリの「メルカリ」などでも、実際に盗品の持ち込みが顕在化したことがあります。

なによりも、消費者が安心して取引できる仕組みの構築を目指して欲しいものです。



「CASH」の想い

サービス再開にあたって、仕組みの一部を改めた「CASH」ですが、基本的なビジョンは何ら変わらないといいます。

バンク代表取締役兼CEOの光本勇介氏は、サービス開始前から弁護士と協議の上、事業を組み立てており、今回の再開にあたっても、このような「想い」を公開しています。



サービス再開した「CASH」の出だしは?

今回、サービス再開した(質屋アプリあらため)買取アプリの「CASH」は、驚くようなペースで利用されているようです。

再開初日は、サービス再開から、わずか2時間あまりで、1日分の上限額である1,000万円(再開したCASHでは、初月で3億円・1日1,000万円でキャッシュ化の上限額を設定している)のキャッシュ化を完了したといいます。

バンク代表取締役兼CEOの「光本 勇介」氏によると、

アプリをアップデートしたのは、本日の10時。
そこから2時間17分(137分)で1,000万円の枠がなくなった。

と発表しています。

「CASH」で査定された回数は、1万6,615回、実際にキャッシュ化されたアイテム数は4,372個(キャッシュ率26%)、1分あたりキャッシュ化されたアイテムが31個で、金額にすると7万2,993円、1回あたりの平均キャッシュ金額は2,355円とのことです。

ちなみに、このCASH、まだiOS向けにしかアプリをリリースしておらず、ユーザー数も5万人程度。(アンドロイド版は、現在準備中のようです。)



「CASH」は、「メルカリ疲れ」を救うのか?

バンク代表取締役兼CEOの 光本 勇介 氏は、「メルカリ疲れ」という言葉を使い、「CASH」のニーズがあるのではないか、と語っていました。

「メルカリ」や「FRIL」といったフリマアプリは、これまで個人間売買の主流でもあった「ヤフオク」などのオークションサービスと比較しても、格段に使いやすくなっているし、匿名配送などにも対応が始まっている。

だけれども、

出品者と購入者でのコミュニケーションが必須だし、購入、送付、両者の評価といったフローで入金までに時間がかかる。何より全ての商品が売れるか分からない。

「メルカリ疲れ」とは、こういったコミュニケーションや時間に疲れてしまうという声がある、という話を端的に言い表しています。

これは、実際に経験した人なら、よく分かる話です。

実際に、ソーシャルメディアで検索してみると、

(買取サービスの査定額は)フリマアプリで売るよりも安くなるが、便利!

という声があるのも事実です。

別にどちらがいいという話でもありませんが、少なくとも、

必要なくなったものを素早く現金化するための選択肢が広がる

というのは、ユーザーとしては歓迎できる話ではないでしょうか?



「バンク」の次なる一手は

バンク代表取締役兼CEOの「光本勇介」氏(左)と
ジラフ代表取締役社長の「麻生輝明」氏(右)

サービス再開、そして約2時間で1000万円のキャッシュ化完了と、何かと話題を振りまいている買取アプリ「CASH」ですが、その運営元の「バンク」は、8月25日、買取価格比較サイト「ヒカカク!」運営のジラフへ出資したことを明らかにしました。

金額は、非公開ですが、数百万円程度の模様です。

ジラフは、今回のラウンドで数千万円規模の調達を目指しています。

「ヒカカク!」は、2014年9月スタートの二次流通品の買取価格比較サイトです。

スマートフォンやカメラ、ゲームソフトなどの買取価格を比較・検索することができます。

現在、月間利用者数は120万人を突破していて、買取商品数は90万件以上、買取口コミ数は、1.5万件以上の日本最大級の買取比較サービスとなっています。

「ジラフ」によると、月間流通総額(見積もりから推定成約率を加味した金額。見積もり自体はもっと大きい規模で行われているとのこと)も1億円を超えているといいます。

今後は、「ヒカカク!」が持つ、各種二次流通企業の買取価格データを、「CASH」の査定などに活用していくほか、「CASH」と「ヒカカク!」の連携、協業を進めていくとしています。

現在「CASH」でキャッシュ化(買取)に対応するのは、ファッションアイテムが中心ですが、今後は、他ジャンルに拡大する際、「ヒカカク!」の持つ買取価格データは、査定額の算定などにも影響する貴重なデータになることでしょう。

なお、この発表に先かげて、オークション売買価格データを持つ「オークファン」がバンクとの提携を発表しています。

再開を果たした注目のアプリ「CASH」の次の一手は、中古品買い取りのための商品相場データの獲得です。

国内外のオークションおよびECサイトを一括検索できる事業を展開するオークファンは、2017年8月25日、「CASH」を運営するバンク社に対し、買い取りおよび商品相場データの提供に及ぶ包括的な業務提携を行ったと発表しました。

「オークファン」は、主要ショッピングモールやフリマなどのオンライン実売データを収集しており、それらを相場データとして提供しています。

一方「CASH」は、ファッションアイテムの中古品買い取り相場情報を元に、商品の写真を提示した段階で買い取り額を提示し送金する仕組み持っており、この相場情報の扱い範囲を拡大することでさらなる事業拡大を狙っていると考えられます。

「オークファン」は、相場情報を活用した事業を展開する企業との連携を拡大しており、BtoBの買い取りマーケットプレース「ReFine」などを展開するSynaBizをグループ会社として抱えています。

今回の提携では、「CASH」を運営するバンク社に対し、「オークファン」が提供する幅広い相場データを提供し、かつ「CASH」利用者から送品された商品の買い取りや流通支援をするということが狙いです。



まとめ

昔は、不用品の現金化といえば、質屋や買い取り店で買ってもらうしかありませんでした。

ネットの普及により、「ヤフオク」などの「オークションサイト」が普及し、さらには、「メルカリ」や「フリル」などの「フリマアプル」の登場で、より簡単に現金化ができるようになりました。

しかし、「メルカリ疲れ」などという実態があるのも、また事実です。

そんななか、登場して、一気に話題となった「CASH」。

今後は、どのような展開になるのでしょうか?

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