〈6つの武器その1〉返報性(reciprocation)

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以前、ロバート・チャルディーニ氏の
影響力の武器 : なぜ、人は動かされるのか」という本を紹介しました。

その中で、6つの武器(アプローチ)があるという話をしました。
その6つの武器をひとつひとつ紹介していきます。



1.「返報性」(reciprocation)

それでは、今回は、「返報性」(reciprocation)についてに紹介していきます。

このプローチは、明日からでも使えるテクニックですが、最初にお断りしておかなければならないことがあります。

それは、このアプローチは、悪用厳禁だということです。

このアプローチをマスターすれば、あなたは、駆け引きのプロになれます。

それにより、自分が通したいと思っている要求を、自由自在に通すことができるようにもなります。

しかし、悪用すれば、最終的に自分の首を絞めることにつながりますので、そうならないためにも、今回のアプローチは、良識の範囲内で使ってください。

クイズ

それでは、まず、返報性の法則を説明する前に、クイズを1つ出したいと思います。

Q.顧客や同僚に2つの選択肢を提示するとき、コストの高い方と低い方、どちらを最初に提示すべきか?

あなたは、どちらだと思いますか?
答えは、最後に明かしたいと思います。

返報性のアプローチとは?

それでは、返報性のアプローチについて説明していきます。

返報性というのは、

誰かから何かもらったら、その人に何かお返しをしなければならない

と思う心理のことです。人は、「受けた恩は、返したくなる」ものです。

たとえば、
年賀状をもらったら、年賀状を返そうと思ったり、バレンタインデーにプレゼントをもらったら、ホワイトデーに何かお返しなくては、と思うような心理です。

チップをたくさんもらう実験

そして、返報性というのは、何かモノをもらったときだけではなく、特別な扱いを受けたときにも、この心理は働きます。

アメリカで次のような実験がありました。

レストランにきたお客さんに、食後のサービスとしてミントチョコをプレゼントし、そのお礼として、どれだけチップがもらえるかという実験です。

実験のパターンは、次の3種類のパターンで行われました。

1つ目のパターンでは、ミントチョコを1つだけ渡しました。

この場合は、ミントチョコ1つに対し、それに見合う普通の岳のチップが返ってきました。

2つ目のパターンでは、ミントチョコを更に1つ追加して、2つのミントチョコを渡しました。

この場合は、ミントチョコ1つだけのときよりも、目に見えてもらえるチップが増えました。

3つ目のパターンでは、パターン2と同じく、ミントチョコを2つ渡すのですが、渡し方に演出を加えてみました。

ミントチョコを1つ渡し、立ち去ると見せかけて、お客さんのところに引き返し、「お客様だけ…」といって、ポケットの中から更にもう1つミントチョコを取り出して、こっそりと渡しました。

この場合、チップはどうなったかというと、同じ2つのミントチョコにも関わらず、チップが増え、もちろん3つのパターンの中でいちばんチップがもらえる結果となりました。

タダで返報性を発動させる方法

このような感じで、何かプレゼントをしたり、何か特別感を与えることによって、返報性の原理が働くわけですが、実は、こちらが何も与えなくても、タダで返報性を働かせることもできます。

それは、

こちらが譲歩した瞬間です。

こちらが何かお願いごとをして、それが相手に断られたとします。
この瞬間、相手は、「相手に譲歩してもらった」と感じるので、「今度は、こちらが譲歩しなければ…」と、バランスを取ろうとします。

そうなると、「さっきも断ったし、今回はきいてあげよう」という心理が働き、こちらの提案が通りやすくなります。

このような返報性を活かし、あえて最初に、断られるのが目に見えている、要求レベルの高い提案をぶつけて、その要求が断られた瞬間に、今度は要求レベルが低い本命の提案をぶつけるといったテクニックがあります。

クイズの答え

さて、はじめのクイズの答えですが、

問題は、

Q.顧客や同僚に2つの選択肢を提示するとき、コストの高い方と低い方、どちらを最初に提示すべきか?というものでした。

返報性の譲歩の性質を考えれば、どちらが正解かが見えてくるはずです。

答えは、もちろん、コストの高い方です。もしも仮に断られても、低いコストの要求は、通り安くなります。

以上、「返報性(reciprocation)」についでした。



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